<漢方薬と気味について>
漢方薬の処方は、数種類の生薬を組み合わせてできています。
(例えば、かの有名な葛根湯は、葛根、麻黄、桂枝、甘草、乾姜、芍薬、大棗の7種の生薬で、できています。)
生薬の効能を表す言葉に「気味(きみ)」というものがあります。
気味とは、生薬がどこの部位にどのように作用しどのような効能がもたらされるかを端的に表した言葉なのです。
漢方薬の効き方を考ると、絶妙な気味の組み合わせによって成り立っていることがわかります。
<漢方薬はどうやって効くの?>
胃に入った漢方薬は、経絡を通じて五臓に働きかけ五臓(肝・心・脾・肺・腎)を活性化させます。
また漢方薬は、「身体の冷えと熱のかたより」を整える働きもあります。
活性化された五臓の働きによって気の不調和が調整され、さらに冷えと熱のかたよりが整うことによって、身体が
回復へと向かっていきます。
つまり、○○病には○○○という漢方薬が効くということではなく、体の中で起こっている気の働きの不調和を整えた結果として病気が治癒したり、症状が取り除かれたりするのです。
最適な漢方薬を選ぶためには、病名にとらわれず気の働きの不調和と冷えと熱のアンバランスが、どこの部位で・
どの程度起こっているのかということ考える必要があります。
そのため、一見、主訴と関係ない体調のこともしっかりと問診させていただいております。
<漢方薬はマズイ?>
漢方薬は、「まずい」「くさい」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
たしかに漢方薬には独特な味や臭いがありますが、臭いや味も薬効のひとつです。
煎じている間に、立ってくる香りをかいでいるだけで、苦しい症状が軽くなる、ということもよくあります。
また、身体に合った漢方薬であれば、臭い・味は意外に不快に感じないものです。
おもしろいことに、飲み始めはとっても美味しく感じたのに、体質改善が進み、体調がよくなるにつれ
まずく感じるようになる、ということもよくあります。
<漢方薬は長く飲まないと効かない?>
漢方薬は即効性がないといわれることがありますが、そんなことはありません。
急性の症状に対してかなり即効性を発揮します。
たとえば、風邪の諸症状が飲んですぐ改善する、ということはよくあることです。
慢性疾患などに対しては、緩やかに改善する症状と、すぐに変化が起こる症状とがあります。
少なくとも1~2週間内服していただければ、何らかの変化はでます。
当院では、初来院の方には数日~1週間分お出しし、また再来院の際にお身体の変化を診て、薬の内容を再検討していきます。
何の好転反応も出ないのに、同じ薬を延々と何ヶ月も服用していただくようなことはありません。
<こどもでも飲める?>
もちろん、服用していただけますが、やはりクセがありますので、無理なお子様もいらっしゃいます。
当院では代わりに気持ちのよい、はり治療をおすすめしています。